附属図書館





文部省建築課の設計、飛島組の施行により昭和5(1930)の竣工。大小のアーチを巧妙に綴り合わせて、壁面に暖かい旋律的効果を与えている。玄関車寄せ柱頭の装飾も意を凝らしたものであり、また、その上部は半球形の天井となっている。

 

図書館完成当時の状況について一橋新聞は、「国立大学都市100万坪の中心に今や完成を急ぎつつある本学の新校舎に魁(さきが)けて善美を誇る1大図書館がまず完成した。(中略)百余尺のタワーを正面に鳳の羽翼をひろげたる如く堂々四面を圧する概がある。総延坪数1,844坪、諸大学図書館の長所と粋を取り尽くせるこの建築は、帝大のそれと相並んでわが国模範の大図書館である。」と記している。

 

竣工以来数度に及ぶ増築と改修、また新たな建物の新築を繰返し、現在の蔵書数は200万冊を超える。アダム・スミスの「国富論」やマルクス「資本論」、ホッブズ「リヴァイアサン」の初版等も含めメンガー文庫、ギールケ文庫など貴重な社会科学の古典資料を蔵す。


入口左手の門灯

入口左手に見える怪獣

入口右手に見える怪獣

入口右手の門灯